上村 松園 うえむら しょうえん
作者紹介
上村松園は明治期では異例の女性画家で、「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵」を 目指し、女性の目線から美人画を生涯描き続けた。本名は上村津禰(つね)。 京都のとある茶屋の次女として生まれたが、上村松園が生を受ける前に父親はこの世を去っており、 母仲子の女手ひとつで育てられた。
幼少より絵が好きだった松園は、12歳の時に京都市立芸術大学(旧:京都府画学校)に入学した。 15歳の時には女性初の文化勲章受賞等、頭角を現していた松園だが、 当時の日本では、女性は家庭に入り子を成すことが普通とされており、学問を修めるということは非常に 風当たりが強かった。それでも、四条派の鈴木松年に弟子入りし、世に名を残せたのは母仲子の支えが あったからだろう。 母仲子の他界後、『晩秋』、『青眉』、『母子』など母を追慕する作品を生み出しており、 大変母を慕っていたということがわかる。 代表作『序の舞』はこの後、母をモデルとして描かれたと言われている。
代表作
- 『紅葉可里図』
- 『晩秋』
- 『御雛之図』
- 『雪月花』
- 『焔』
- 『娘深雪』
- 『人生の花』
- 『序の舞』
- 『母子』
- 『待月』